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鉄を作る

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といっても、鉱石を溶かし、たたらを踏んで製鉄するわけではない。スチール製の工業製品を火で赤め、ひたすら叩き続ける。
製品-言い換えれば「道具」とは、素材に機能を付け加える事で成り立つ。
では、道具から機能を取り去った時、そこには何が残るのだろうか？思考のなかで、ひとつの仮定を立てた。
鉄+機能=道具　ならば　道具-機能=鉄？？
メッキや塗装ははがれ、機能や構造はぺらぺら。強引な破壊ともとれる愚直な行為。
しかしそこには、製造された痕跡や使われた痕跡を残しながら、鉄の純粋さや自然さを見た。
人の手によって作られた鉄製品から人為的な要素を取り払い、素材のありのままの姿やあるべき姿を探している。

 

　　　　　　　

　　　　　

　　　　　　　　　　

　　　　　

　　　　　

　　　

 

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例えば電化製品のボディなど、薄い板状の鉄を可能な限り折り畳んでいき、塊にしていく。